こんにちは、あきです。
社会不安障害(対人恐怖症)の治療法として、基本的には2つの方法が行われています。
これから心療内科・精神科に通うことを考えている方にとっては、社会不安障害の治療期間や治療費についても気になるところだと思います。
僕は2016年7月の終わり頃から心療内科に通い始め、3週間に1度のペースで診察を受けて社会不安障害の治療を行っています。
一般的に行われている治療法や僕の経験談を元に書いていくので、社会不安障害の症状を抱えている全ての方に当てはまるわけではないかもしれませんが、一例として参考になれば幸いです。
【対人恐怖症】社会不安障害の治療法はこの2つを使って行われます【家族の方もご参考下さい】
社会不安障害の治療法としては、薬物治療と精神療法の2つを使っていくことが一般的です。
薬物療法と精神療法、どちらか一方だけ行う場合もありますが、ほとんどの場合は併せて行うことが多いと思います。
ただ、患者の話をろくに聞かず薬だけポンポンと出して金儲けしか考えていない医者もいるので、そういった医者に当たってしまった場合にはすぐに病院を変えることを推奨します。
社会不安障害の治療法1:薬物療法
薬物治療はSSRI(不安をなくす薬)というものをベースに使っていきます。
SSRIなどの精神薬は眠気やだるさが出てくることもあると言われていますが、自分の場合はあまりそういったことは無く、結構個人差があるようです。
未だに自分に合った薬も見つかっていないので、薬の効果もそこまで実感したことがありません。
SSRIは症状が良くなってからも、現状を維持し再発を防ぐために飲み続ける必要があります。
頓服薬ではないのでゆっくりと時間をかけて飲み続けないといけませんが、これが社会不安障害治療のベースとなる薬です。
社会不安障害の治療では薬の服用がまず基本となり、精神療法と併せて治療していくことが多いと思います。
SSRIを使うことによってセロトニンの量が増え、社会不安障害を改善する方向に向かわせることができます。
「薬に頼りたくない」という気持ちは痛いほど分かりますが、主治医と相談し、自分に合った薬を正しく飲み続けないと症状は悪化の一途をたどります。
本人の判断で服用をやめたり薬の量を減らさないように注意してください。
社会不安障害の治療法2:精神療法
精神療法はカウンセリングや認知行動療法、心理教育などを使って、社会不安障害患者が不安や恐怖に陥りやすい思考パターンを修正していくものです。
「別の見方がある」ということを認識していきます。
こうした思考パターンの修正は僕が現在通っている病院の先生は真剣にやってくれています。
SSRIも精神療法もすぐに効くものではなく、ゆっくりと効果が現れてくるものです。
早くても数週間から数か月は様子を見ないと変化は分かりません。
社会不安障害の治療期間はどのくらいなのか?
一般的には精神疾患にかかる治療期間は、「その病気を放置していた時間と同じ時間がかかる」と言われています。
僕の場合は社会不安障害の明確な症状が現れたのは12歳の頃で心療内科に通い始めたのが23歳の頃なので、11年はかかるというイメージです。
それだけでなく、人それぞれ症状の重さや受けている治療も異なるので、治療にどのくらいの期間がかかるかは個人差があります。
以下のような状態であれば治療期間はそれほどかからないかもしれませんが、ほとんどの場合は長期戦になる覚悟が必要です。
- 社会不安障害の症状が発症してからあまり時間が経っていない
- 社会不安障害の症状があまり重くない
- 社会不安障害の名医に診てもらっている(やはり正しい指導をしてくれる人が必要です)
今すぐに治すことができれば、現在社会不安障害で悩んでいる多くの方が苦労することはありません。
周りの人には「大丈夫だよ!」とか「まだ治らないの?」と言われるかもしれませんが、社会不安障害は長期的な視野を持って、適切な治療の継続と正しく向き合うことが大切です。
社会不安障害が一向に治らない場合、どのように向き合うべきかについての記事も書いているので、あわせて読んでいただければと思います。

社会不安障害の治療費はどのくらいかかるのか?
この項目は現在準備中です。
心療内科・精神科には2週間~1か月のペースで通うことがほとんどだと思います。
僕の場合、現在は3週間に一度のペースです。
社会不安障害にかかる治療費は父が把握していて僕は全く気にしていなかったので、後日聞いてみたいと思います。
医療費を1割にすることもできるので、そのことについても聞いてみます。
社会不安障害を治療する上で大切なこと

社会不安障害の患者数は、今では推計で300万人以上いると言われています。
この数字は正確なものとは言えないかもしれませんが、過去の自分を含め、社会不安障害だということに気付かずに生活をしている人は結構いると思います。
社会不安障害の生涯有病率は3~13%と言われています。
これは自分と比べると軽い症状の人も含んだ結果だと思いますが、無理して日常生活を送っている人は多いと思いと思います。
社会不安障害という病名があまり認知されていないので、本人や家族、身の回りの人が「性格や気の持ち方」だと勘違いしてしまうのも無理はありません。
しかし、「気付かないこと、症状を軽く見てしまうこと」により病院へ行かずに苦痛を抱えたまま無理し続けるといずれ悪化の一途を辿ることになります。
12歳から23歳の頃まで明確に現れていた社会不安障害の症状に我慢しながら生活を送っていた自分の経験からも、病院へ行かないと症状が慢性化してしまうと言えます。
そうなってしまうと本人だけでなく、一緒に住む家族も辛いはずです。
もちろん、家族が理解を深めていくことも大切です。
家族以外の周りの人にも理解してもらうことが大切と言いたいところではあるのですが、自分が経験した限りだとよっぽど自分のことを考えてくれる人や人間性の優れている人でない限り、理解を示してくれる人はいません。
社会不安障害であることを逆手に取られていじめられたり、嫌がらせを受けたりすることがあるので、誰にでも言うものでは無いかなと思っています。
あくまで自分の場合ではあるのですが、家族と病院の先生には全て正直に話すようにし、それ以外の人には不用意に話さないようにしています。
「気の持ちようだよ」「行動力が足りないんだよ」と言ってくる人が一定数いるものなので。
家族を含め、周りの人に自分が社会不安障害であることを打ち明けて「自分には関係ない」「お前の問題だから勝手にしろ」と言われた場合には(短期的には)説得しても無駄なので、それ以上関わるのはやめてもっと別のことや人に時間を割いていくべきだと思います。
長期的には、家族と時間をかけて理解を深めていくべきです。
社会不安障害が理解されない理由とその対策については以下の記事で述べているので、ぜひご参考下さい。

社会不安障害患者が病院へ行けない場合にはどうすればいい?【家族の方へ】

早めに病院で受診することで適切な治療を受けて改善することが可能かもしれません。
しかし、社会不安障害の人はそもそも人前に出ることに恐怖や不安を感じるので、病院に行けないケースの方が圧倒的に多いと思います。(特に重度の場合は結構キツイ)
そういったことも含めて社会生活に支障が出ているので病気であると言えるのですが、社会不安障害の人は本人だけでは中々病院に行けないので、病気だということが分かりづらかったり、ただの怠けで引きこもりになっているだけだと思われたりします。
なので、本人が病院に行けない場合には、ご家族の方が受診に付き添うことも大切です。
周りが「一緒に治療していこう」という気持ちで協力していかないと、本人の力だけでは治していくことはなかなか難しいです。
これは僕の母が抱えているパニック障害でも同じことが言えると思います。
「このままだとダメだから病気を治療しに病院へ行こう」という、現状を否定する言葉から入るのは良くありません。
「良いアドバイスをもらえるから行こう」といった軽く捉える方が行きやすくなると言われています。
こういった抵抗感の少ないアプローチを取ることで連れていきやすくなります。
めんどくさいと思われるかもしれませんが、あくまで病気なので適切な治療のためにはこういっためんどくさいことも大切になってきます。
病院の先生の話を聞いたら楽になるよ的な感じでいいと思います。
将来の不安を煽る形で無理やり連れていくのは逆効果かもしれないです。
最終的に決断するのは本人なので、本人が行く気になるようにできる限りサポートするしかありません。
社会不安障害の薬は飲まない方がいいのか?

薬は不安や恐怖感、回避行動を減らす効果があります。
精神療法や認知行動療法は効果が現れるまでにかなりの時間が必要になりますが、薬物療法は社会不安障害の治療法の中で比較的早く効果が現れやすいものです。
その代わり、副作用があります。
また、薬を飲むのを急にやめてしまうと効果が無くなってしまうことは確かです。
診察の際に病院の先生にしっかりと症状を伝え、その症状を元に処方してもらった薬を指示された通りに飲むことが大切です。
ただ薬を飲めばいいという問題でもないし、薬の力を借りない方がいいというわけでもないのですが、やはり病気である限り、薬の力を借りて治療をした方が最小限の努力で治すことができると思います。
それに、神経レベルのことは自分の意志だけではどうにもならないことなので、薬の力を借りることは欠かせません。
また、薬を長期間使用したことによって改善された行動がその人の新しい行動パターンになると考える医師もいます。
今まで「怖くない!怖くない!」と自分に言い聞かせてもどうにもならなかったことが、薬の力を借りることによって変化が現れることがあると思います。
社会不安障害を治療する上で本人と家族ができること

社会不安障害を治療する上での本人との接し方は?【家族の方へ】
今まで通り普通に接することが大切です。
社会不安障害の人は常に不安や恐怖心を抱えているので、「過度な心配」や「腫れものを触るような接し方(不自然さ)」はかえって本人の負担になってしまいます。
本人の辛さや気持ちだけは理解し、普段の生活はいつも通りコミュニケーションをとりながら普通に生活をすることが大切です。
人前では家族の手助けが必要な場合が必ずあるはずなので、そういった場合は手助けすることが欠かせないと思います。
社会不安障害患者が人と接する場面では、家族はどこまでサポートするべき?【3択】
その時の本人の具合を見ながら、もしくはどの場面でどんなサポートが必要なのかということを話し合っておくことが大切です。
本人の力だけでは対処しきれないことのみサポートしていく必要があると思います。
もちろん、本人が経験を積み、成功体験を重ねることも必要です。
過度のサポートは逆効果かもしれないので、以下の3択を常に考えておくことが必要だと思います。
- 本人に代わって問題に対処する
- 本人と一緒に解決する
- 本人だけで問題に対処する
社会不安障害の治療期間はめちゃくちゃ長いかもしれないので…
社会不安障害を治療していくには、本人の生活習慣を整えることも大切です。
そのためにリラックスできる環境を家族が協力して作ることも大切になります。
社会不安障害の治療は長期戦になることが基本です。
中々改善しないと家族も(もちろん本人も)不安になると思うのですが、「自分のこの接し方で大丈夫なのか?」「なんでもっと早く気付けなかったのか」と家族が疲れ果ててしまわないためには、過度な期待をせずゆっくりと待つことが重要になるかなと思います。
遠回りのように思えますが、これ以外の方法は現状では無いし、近道をしようとすればいずれ悪化の一途をたどることになると思います。
本人はもちろん、ご家族の方も自分自身の健康を大切にするべきです。