こんにちは、あきです。
社会不安障害(対人恐怖症)はただの甘えや本人の性格なのでしょうか?
両親の話によると、僕はどうやら幼稚園の頃からおかしかったようですが、日常生活で支障が出たり本気で「コレって異常かも」と思ったのが12歳の頃でした。
現在27歳なので、社会不安障害(対人恐怖症)の症状が現れ始めてから約15年が経ちます。
結論から言ってしまうと、「外に出ると強い不安や恐怖を感じ、自分で自分の感情や体をコントロールできず、日常生活にも支障が出る場合には甘えでも性格でもない」というのが実際に社会不安障害を経験している僕の考えです。
精神疾患以外の病気であれば甘えだと言われることは少ないと思います。
もちろん性格なんかでもないですね!
しかし社会不安障害を含め精神疾患となると、甘えや本人の性格だと思われがちです。
- 人前に出るのが怖い
- 学校、仕事へ行くのが怖い
- 他人からどう思われているのか不安になる
という人はそれなりにいると思います。
そういった人でも結構辛い生活を送っていると思います。
誰にでも辛いことはあるので「病気のせいにして甘えるな!」と言いたくなってしまう人の気持ちも分かります。
しかし、なかなか想像するのは難しいかもしれませんが、社会不安障害の人は割とマジで冗談にならないくらい重い症状を抱えている場合がほとんどです。
なので、最後まで読んで「社会不安障害は病気であり、甘えとは一概には言えないのかもしれない」と少しでも思って頂けたら嬉しいです。
僕としては過去の自分に読んでほしい内容を書いているので、いま社会不安障害で悩み「自分は甘えているだけなんじゃないか」と思っている人に読んでもらえたらと思っています。
【対人恐怖症】社会不安障害がただの甘えや性格ではない理由【15年の経験から本音を話します】

自分でコントロールのしようがない以上、病気であると言っても過言ではありません。(ここ重要)
自分の感情や体をコントロールできていたら日常生活に支障は出ないはずなので。
自分でコントロールできれば少なくとも病気ではないです。
僕は今まで3つの病院に行きましたが、病名は社会不安障害(対人恐怖症)で間違いないようです。
強迫性障害(物の配置が気になる、何度も確認してしまう)という病気も併発してしまっているので、社会不安障害の方は十分にご注意ください。
緊張や不安がハンパじゃないくらい強い(もはや恐怖)
社会不安障害は症状も重さも感じ方も人それぞれだし、向き合い方も人それぞれです。
社会不安障害=甘えじゃないor甘えとハッキリと決めつけることはできないですが、少なくとも自分と似たような症状にある人は日常生活に支障が出るレベルなので甘えや性格ではないと思っています。
同じ社会不安障害でも僕とは違う症状で悩んでいる人もいると思いますが、他の人の症状を知る機会ってなかなか無いので、一応僕の場合について書きます。
大多数の人(現状、社会不安障害ではないと思われる人)は以下のような僕の症状はなかなか現れたことが無いと思います。
- 恋する乙女のように胸が苦しくなる
- 吐き気がする(外から家に帰ってきた時が結構酷い)
- 近くに人がいると体全体や手の汗が結構出てくる
- 震えが止まらない
- 体が硬直して動かなくなる
- 声が出ない
- 発表や初対面の人と話すときじゃなくても心臓がドキドキする
- 人がいるとご飯を食べることができなくなる(体が全く動かない)
人前に出たときや人混みに行ったときはもちろん、人と会うときや電話をするとき、単に外に出ただけでも常にこういった症状が現れます。
頑張って人と同じように生活をしようと思っても慣れないどころか悪化していく
これも僕の例で書かせて頂きますが、人前で食事をするときに震えや体の硬直により普通に食べたり飲んだりすることが非常に困難です。
それでも中学・高校と、6年ほどの間はなんとかして耐えていましたが、それで慣れたかというと確実にNOです。
苦手な場面を繰り返せば慣れるというのが一般的な考えかもしれませんが、社会不安障害などの精神疾患の人においては「恐怖を感じる場面を繰り返せば繰り返すほど余計に恐怖を感じる」ことがほとんどです。
自分で自分のことをコントロールできない状態ですし、自分に意識が向いてしまって柔軟に考えることも難しくなるように感じます。
自分でコントロールできて苦手な環境にも少しは慣れることができれば、正常な脳や神経なので病気と思う心配は無いと思います。
さすがにこれは本人の甘えや性格なんじゃないかと思う事例2つ【社会不安障害ではない】

特定の場面で強い緊張や不安を感じて辛い思いをされている方もいると思うので一概には言えないのですが、僕の身近な人で「これはさすがに本人の甘え(もしくは性格)としか言えないな」と思ったことを以下に書きます。
(社会不安障害ではなく、あがり症や恥ずかしがり屋の部類に入る人の例です)
あと割とここは愚痴タイムなので、この項目は飛ばしてしまってもいいかもしれません。
思い付きで書いたものでもあるので(^^;
M君(小学校3、4年生の時のクラスメイト)
普段学校の中では目立つタイプで声がデカく、先生や親しくない人にも結構デカい態度でしゃべる子。
何かやらかした人がいたら大勢の前でそれを言いふらす。普段から人前で話すことにメチャクチャ慣れてるだろ!という子。
事例
作文の発表者3人のうちの1人に選ばれたが、トイレにこもったきり出てこなかった。
作文の発表の時間が終わったことを先生が知らせに行くと笑顔でトイレから出てきた。
S君(中学2、3年の頃のクラスメイト)
これまた普段からうるさい子で目立ちたがり屋。そしてこれまた普段から男女問わず人の悪口を大勢の前で言うような子。(もちろん僕も被害者の一人)
さすがに女子の見た目の悪口は性格悪すぎでしたね…
事例
クラスで応援団に1人だけ多数決で選ばなければならず、応援団に向いていると大勢から推薦された(もちろんみんなに悪意とかは全くなく)が、全力で嫌がり「絶対にやらない」と応援団向きの大きな声で言い張っていた。
事例と言っても2つだけでスミマセン…。
(本当に思い付きで書いたのでパっと思いついたものだけです)
社会不安障害の人というのは本当に声も出なくなるし動きもぎこちなくなったり(酷いと僕のように動けなくなったり)、赤面したり、震えが止まらなくなったりします。
「動け!」と言われても、コントロールが効かない状態でどうあがいても動かすことができません。
僕の経験上、理解を示してくれる人はほぼゼロに近いです。
健常者にとっては「動けることが普通」だと思っているので(^^;
なので正直、上記で例に出した人たちは社会不安障害である僕から見たら「本人の甘えとしか言えないよなぁ…」と思ってしまいます。
もちろん、その時の本人は本気で嫌だったのかもしれませんが、学生時代の約10年間動かない体を周りに笑われたり怒鳴られたりしながらもなんとか操っていた僕からすると「甘すぎる!」としか思えないです。
どこまでが甘えや性格で、どこから社会不安障害と言えるのか?【判断基準】

そもそも社会不安障害(対人恐怖症)を含めた精神疾患の診断基準というものが明確ではないので、医者から病気だと診断されなければ「甘えだ」と言われる割合は多くなってしまうように思います。
目に見える外傷はないし、「これぐらいの恐怖感があれば社会不安障害です」という基準もなければ本人にしか分からないことも多いです。
それに「甘え」という言葉にも明確な定義があるわけではないです。
どんなものが甘えになるか分からないし、人の見方にもよるとしか言えなさそうです。
ただ、社会不安障害なのかあがり症なのかただの甘え(もしくは性格)なのかという、僕が考える一つの判断基準を以下に書いておきたいと思います。
やりたくないことをやらない。
単純に恥ずかしいからその場を避ける。
でもやろうと思えばいつでもできる。
甘え
僕としては一応、やりたくないことはやらないという考え方に対してそこまで否定的な立場ではないです。
やるべきこと、できることは自分でやるべきですが…。
特定の場面で苦手なシチュエーションがある。
何度か苦手な場面にぶち当たれば、完全ではないが少しは慣れてくる。
人前で話すことが苦手でも、話すことは一応できる。
あがり症
最後は、僕のような社会不安障害の例です。
恐怖を乗り越えようとして何度同じシチュエーションを繰り返しても慣れるどころかよりその状況に恐怖を感じる。
人前で話すことやそもそも人がいることが怖く、しばらく話していても緊張や不安がおさまらない。
人によってはだんだんと震えや赤面がひどくなったり、声が出なくなったりする。
緊張や恐怖によって体のコントロールが利かなくなる。
社会不安障害
ただ、甘えるということ自体は完全に悪い意味合いだけを持つわけではないと思います。
甘えたいとき、甘えるべきとき(病気、心が弱っているとき、スキンシップを図りたいとき)には甘えていいと思います。
むしろ、社会不安障害の人はこの「甘える」ということが中々できないように思います。
あともう一つだけ判断基準のようなものを軽く提示しておきたいと思います。
これもあくまで、社会不安障害や他の精神疾患の人の辛さを考慮した上での判断基準です。
声を出すのがダルイから出さない
甘え
声が出せない、どもる、声が小さくなる(本当に出せなくてビックリする)
甘えではない
人前で普通にごはんを食べられるけど、一人でゆっくりと食べたい
甘えというかただ単にそうしたい人人前でごはんを食べようとすると震えや動悸、汗が止まらない。そもそも体を動かすことができない。
社会不安障害
社会不安障害が甘えだと思われてもぶっちゃけ仕方がないと思う【理解できない人がほとんど】

そもそも世間的にこの病気が認知されていないので、理解に苦しむ人がいることや甘えだと捉える人がいても仕方がないのかなと思ってしまいます。
社会不安障害を含め心の病気を「甘えだ」と言う人、理解できない人が一定数いることは仕方のないことだし、いちいち気にしていてもキリがないことだと思います。
ただ、病気である当事者は甘えや性格だと思わないで、病院に行って定期的に診察を受けてほしいです。
僕がそうでしたが、長いこと自分が社会不安障害という病気だと思っていなかったし、病院へ行って治したいと思い始めても両親に言い出せなくて、社会不安障害(対人恐怖症)の症状にはっきりと気付いてから病院に通い始めるまでに10年以上はかかりました。
社会不安障害をそれだけ放置するのは結構危険だと考えています。
30代40代になっても病気ということに気付かず引きこもりになってしまうケースもあるので。
ただ、社会不安障害という病気が認知されるかどうかはある程度時間が解決してくれると思います。
心療内科や精神科へ行くことは抵抗があるかもしれないし、偏見の目で見られるかもしれないけど、それよりも病気を治すことが大切です。
僕の場合は一人で病院に行くことも困難だったので、両親に頼んでついてきてもらいました。(今でもそうですが)
社会不安障害は割りとマイナーな病気なので、医者でも診断を間違えたり適切な治療をできない場合もあると思います。
僕が感じた限りでは、医者が社会不安障害の辛さをよく理解していないことの方が多いです。(それにより、適切な治療をしてもらえることが少ないです)
先生の話を聞き、処方された薬もしっかり飲んでいくことが大切ですが、中にはこういう医者もいるのでそういった場合には病院を変えることをオススメします。
こんな医者はすぐに変えた方がいい
- 患者の話を聞かない
- 患者の目を見ない
- すぐに話を遮る
- 偉人の話や持論を展開する
- 「病気というものは無い」と言い張る
- 勝手に病名を決め付ける
- すぐに診察を切り上げようとする(ほとんどの病院は10分ほどが目安だと思いますが、酷いところは2、3分ですぐに切り上げようとします)
- 院内ではスリッパに履き替える(偏見あり)
こんな状態でどうやって患者の病気を治す手助けをするつもりだよ…。
僕が数年前に通っていた心療内科と睡眠外来のことですね(;^ω^)
あと、母が通っていた心療内科のことも入っています。
一昨年くらいから母も僕と同じ心療内科に通っています。
母は今まで結構酷い心療内科に当たってきたそうです。
僕が盛岡でお世話になっていた心療内科と現在通っている心療内科は本当にいい先生で、以下の記事で詳しく書いています。

患者からお金を巻き上げるだけの最低な病院についても書いているので、ぜひ参考にしてみて下さい。
社会不安障害の人が取る行動で「甘えだ」と思われてしまう、あること

社会不安障害(対人恐怖症)の人は特定の場面で強い不安や恐怖を感じ、人によっては赤面、震え、どもりなどが酷くなってしまいます。
するとどんどん、そのような不安や恐怖を感じる場面を避けるようになってしまう特徴があります。
赤面したり震えたり体が硬直したりすることが続けばそうなるのも仕方ないことかなと思います。
僕の実体験ですが、恐怖を感じ体に異常が出てくる場面を避けずに無理してやり続けると、病状が悪化したりうつ傾向になります。
酷い場合には引きこもりになったりパニック障害も併せてなってしまう方もいるそうです。
日常生活に支障が出る場合でも、「もっと頑張れるだろ」「それなりの対策をすればいいだろ」と言われるかもしれませんが、精神病の苦しさを他人が見てどのくらい苦しいのか理解するのはなかなか難しいですよね。
「自分ってちょっとおかしいかな」と思いつつも心療内科や精神科に行ったことのない人であれば、これから悪化してしまわないためにも病院に行ってほしいと思います。
もしかすると一つの病院だけじゃ分からないかもしれないし、その病気の専門ではない先生もいるかもしれませんが、しっかりと病院の先生に症状を伝え、診断してもらってほしいです。
病院に通っていない間は「自分は病気だからこういう場面が辛い」と言っても周りにはほとんど理解されませんが、病院に行って診断されれば「甘えではないかもしれない」と少しずつ理解してくれる人も中にはいるのではないかと思います。
最後に
社会不安障害(対人恐怖症)になると病院や周りの人のお世話になることが多くなりますが(周りの人は大変かもしれませんが)、日常生活に支障が出て、それを自分でコントロールできない以上は甘えでもただの性格でもないです。
なので、社会不安障害などの精神疾患で悩んでいる人は、必要以上に自分を責めてほしくないと思っています。
そして甘えではない以上、病院に通って先生や薬の力を借りつつ社会不安障害を治していくべきです。