こんにちは、あきです。
「社会不安障害の原因は親にあるのか?」というタイトルだけを読むと、「自分が病気になったのを親のせいにしているのか?」と思ってしまうかもしれませんが、全くそうではありません。
この記事では、社会不安障害(対人恐怖症)になる原因が親(だけ)ではなく、主に3つの原因が重なり合って社会不安障害になってしまうということについて書いていきたいと思います。
人はどんな物事でも「こうなったのは誰々が悪い」「何が原因なのか?」と、0か100で決めつけてしまいがちです。
実際に親やいじめの加害者が完全に悪いケースもあると思いますが、少なくとも社会不安障害になる原因においては「親が100%悪い」「この人が100%悪い」ということはあり得ないと思います。
もちろん、社会不安障害になった本人が完全に悪いということはありません。(ここ重要)
これはどんな精神疾患(うつ病、パニック障害など)でも同じことが言えると思います。
僕は15年ほど社会不安障害を抱えながら生活をしており、以下のような人たちを恨んだこともありました。
- 常に厳しく、ほとんど褒めてくれたことがない両親
- 悪口を言ってきたり叩いてきたりする人(数多くありました)
しかし、社会不安障害になる原因は「何か一つのことにある」「特定の誰かにある」というわけではないことがほとんどだと思っています。
人によっては親に問題があり、社会不安障害になった原因の多くを親が占める人もいるかもしれません。
しかし、そういったケースでもさすがに「親が100%悪い」とは言い切れないのかなと思います。
親が大きなウエイトを占めることは否めませんが…。
この記事にたどり着いた方には、社会不安障害になった原因(誰にでも複数個はあるはず)を見つけ、少しでも解決の糸口になって頂けたら嬉しいです。
専門知識に乏しいですが、実際に社会不安障害である僕が長年の生活で素直に感じたことや考えも書いていきます。
社会不安障害の原因は親にあるのか?3つの要因について

上記でも述べたように、社会不安障害(対人恐怖症)の原因はどんなケースであれ、親だけにあるとは思っていません。
では、「社会不安障害になるのは本人の問題なのか?」というと、そうとも思えないです。
もちろん、周りにいる無神経な人やいじめをする人も完全に社会不安障害になる原因100%を占めるのかというとそういうわけでも無さそうです。
悪いのはほとんどの場合、加害者側ですが。
いじめを受けても乗り越える人もいれば乗り越えられない人もいて、同じ「いじめ」という経験をしても二手に分かれますよね。(グレーゾーンもあると思いますが…)
ちなみに、ここは強調しておきたいのですが、乗り越えられないからといって本人が悪いわけではありません。
社会不安障害になる原因は一人の人物(親、クラスメイト)や一つの物事にあるのではなく、複数の要因が絡み合っていると思います。
だから、同じ「社会不安障害」という病気でも人それぞれ抱えている症状や悩みも違います。
「何が原因で社会不安障害になったのか」と特定の原因を探したくなる気持ちは分かりますが、これは病気に限ったことではなく、どんな物事でも特定の要因(上手くいかなかったことや上手くいったこと)を見つけることは難しいと思います。
社会不安障害になる1つ目の原因【生物学的要因】
生物学的要因という小難しい用語を使っていますが、簡単に言うと遺伝のことです。
もちろん、完全に遺伝のせいなのかというとそうではなく、「遺伝も含まれている」と思います。
僕としては、「遺伝」という親のせいにするような言い方はあまり好きではなく、「ただの生まれつきのもの」と考えています。
「生まれつき」には結局遺伝も含まれているとは思うのでこの考えは間違っているのかもしれませんが…。
僕の両親は社会不安障害ではありませんが、母がパニック障害で親戚にも僕と同じ社会不安障害の方がいるので、そういったことも少しは関係しているのかなと思っています。
よく学者の方々が言うこととして、「恐怖というのは自分たちの祖先が生き延びるために必要なものだった」的なものがあります。
猛獣から身を守るために、恐怖を感じ、避けて、生き延びていたと思います。
だから僕たちは誰でも猛獣を見れば怖がるし、町で遭遇すれば逃げたくなるはずです。
これは僕の勝手な憶測ですが、もしかして僕の祖先や親せきに以下のような人がいたのかなと思ったりしています。
- 常に人を警戒していなければ生きていけなかった人
- 自己評価が極端に低い人
- 極端に自意識過剰な人などなど…
誰でも両親や祖父母の良いところを受け継いでいる面もあれば、悪いところも受け継いでいると思います。
「社会不安障害」というものがそのまま遺伝するのではなく、考え方の癖や性格、自律神経の反応の仕方などが遺伝し、社会不安になりやすい体質として生まれてきていると考えています。
これは社会不安障害になった本人はもちろん、両親たちにもどうすることもできないので、誰が悪いということはないと思います。
生まれつきのものは自分ではどうしようもないので、薬の力を借りつつ変えられるところは徐々に変えていくべきだと思っています。
ただ、将来、社会不安になるかどうかに大いに関わってくる部分だとは思っています。
社会不安障害になる2つ目の原因【心理学的要因】
社会不安になりやすい体質として生まれてきた土台の上に、後天的な要因が絡んでさらにややこしくなっているんじゃないか…という感じです。
心理学的要因というのは、以下のようなものです。
- 家庭環境(親がどんな育て方をしてきたか、親が子供の前でどんな言動をとっていたか)
- 個人の経験(どんな人間関係だったか、いじめ、理不尽なこと、容姿などによる恥ずかしい経験)
まず始めに僕が言いたいのは、「親の教育が悪い」と言って何でも親のせいにする人がいますが、親が完全に悪いということは無いと思います。(社会不安障害の方の例ではありませんが)
例え親の教育方針がちょっとおかしかったり、子供の心を傷つけるようなものであっても、さすがに親だけに原因があるとも言えません。
それは、両親自身も生まれ持った考え方や価値観などがありますし、さらに両親(僕の祖父母)や先生に教え込まれた教育によるものかもしれないからです。
しかし、親や先生、周りの人たちから及ぼされる影響は少なからずあるので、気を付けられるところは気を付けて生活しなければいけません。
もちろん暴力を振るう親やいじめをする人たちは論外なので、離れられるのであればできる限り離れるべきです。
僕の場合は何か特定のきっかけらしいきっかけがあって社会不安障害を発症したわけではありませんが、社会不安障害患者の60%は不愉快な出来事で発症しているというデータがあります。(どこ情報だったか忘れましたが…)
例えば、対人恐怖において最も恐怖の対象になるものとして、以下の2つがあるそうです。
- 視線
- 大勢の人
これは人間が本能的に恐怖を感じるものなので、気にしないようにしようと思っても、なかなか自分でコントロールするのは難しいです。
赤面症の人なんかだと分かりやすいと思いますが、顔が赤くなると周りの人たちにからかわれたり、注目を浴びると思います。
それがきっかけで他人の視線が気になり始めたり、どう見られているか気になったりし始めるケースが多いみたいです。
僕も割と人と話しているだけで顔が赤くなることが多々あり、小学生の時には別の病気(海綿状血管腫)で顔にあざのようなものがあったので、余計に周りの子たちからバカにされたり注目されていました。
バカにされたり恥をかいたことがきっかけで社会不安障害を発症する人は少なからずいると思います。
また、自分が直接バカにされたり恥をかかなくても、「他人が恥をかいた」「他人がばかにされた」「他人がいじめられた」ということが自分にも恐怖となる場合もあるそうです。(社会学習理論)
社会不安障害になる3つ目の原因【社会学的要因】
社会学的要因とは、生きている時代や生まれ育った国の文化、性別などのことを言うそうです。
この項目については僕はあまり詳しくないし、生物学的要因と心理学的要因と比べるとそこまで深く関係のあるものではないかなと思います。
海外の調査ですが、男女間で社会不安障害(対人恐怖症)になる割合に大きな差があるらしいです。
これは実際に社会不安障害になった僕としてはあまり納得のいく内容ではありませんが、当てはまる人もいると思うので軽く触れておきます。
男の子は「強くなりなさい」「積極的になりなさい」と言われる機会が多いので内気や人見知りを克服する機会が多いそうですが、女の子は優しさや謙虚さを尊重されるため、性格などが改善される機会を逃してしまい、社会恐怖に発展するケースも少なくないらしいです。
また、大人は子供の人見知りや内気を「大したことではない」「大きくなったら変わる」と思う傾向にあります。
親や学校の先生は、内気で大人しい子供の方が扱いやすいので敢えて見過ごされているところもあります。
確かに、子供は大人しくて素直に言うことを聞いてくれる方が手がかからなくていいし、問題を起こす子供よりも正常だと思ってしまいますよね…。
- 生物学的要因
- 心理学的要因
- 社会学的要因
この3つの用語を使っていきましたが、僕がちょこちょこ参考にしている以下の本から専門用語だけ使わせて頂きました。
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この3つに分類された言葉から説明していく方が分かりやすいと思い、そうさせて頂きました。
それぞれの影響の大きさは人によりますし、それぞれの要因が絡み合っていて複雑なので、社会不安障害の原因という原因を探り出すのはなかなか困難なことだと思います。
ただ、上記の3つの要因から少しでも社会不安障害の克服の手掛かりに繋がればいいと思っています。
僕が社会不安障害になった原因について母親に聞いてみた

最近母と一緒に夜マックに行っているので、マックで質問してみた内容を以下に書いていきます。
小さいときからやっぱちょっと違ってて、
そのときはそれが普通だと思ってたけど、
幼稚園に行っても私のそばを離れなくて、
幼稚園に連れていっても幼稚園から出てきて私についてこようとして、
先生に無理やり押さえていてもらって、それで別れて、
たまに私が覗いて目が合うとまた出てきちゃうっていう。
あと、友達と幼稚園の時に、隣の保育園に入って遊んでたり。
それで幼稚園中が大騒ぎになったりとか。
やっぱそれもおかしいんじゃないかってパパが言ってたね。
私がいなくなると、とにかく私が仕事とか始めると具合悪くなったりとか気持ち悪いとか、背中が痛いとか言って、病院で検査しても何も異常がなかったりとか。
なんか原因っていうのは分からないけどやっぱり、ちょっと中学時代辺りからあれなのかなあと思うし。
で、高校のその環境かね。やっぱり。
〇〇(僕が通っていた高校名)ってうるさかったじゃん。
ここがだから難しいんだよね。
やっぱり学生の、中高っていう大事な時期に、私が仕事に行ったりとか、
遊びに行ったりして、まあほったらかしっていうわけじゃないけど、
ちょっとそういうのが気付かない部分があったのかな。
でやっぱりお父さんが中高辺りは厳しくして、
とにかく朝寝坊が酷かったから、それでよくケンカしてたじゃん。私と。
そういうなんだろうな、だからその時は気付かなかったから、
それでまあおかしいと思ってたのかもしれないけど。
「なんでこの子は朝起きないんだろう」とか。
だからその時分からなかったからね。
「なんで普通の子と違うんだろう」って思ったかな。
お母さんはパニック障害なわけで、同じ病気にはならなかったけど、結局そのどっかしら受け継いでる部分があると思うんだよね。
あっ、無いなら無いでいいんだけど。
私のパニックもどうしてなったのか分からないから、ある日突然なってしまうもの。
以上。
こうして10分弱で質問が終わり、母は隣のパチ屋へと行きました。
まとめ:社会不安障害の原因は親にあるのか?

社会不安障害(対人恐怖症)になる原因はハッキリ言ってコレというのはないと思います。
色々な要素が絡み合って今の状態になっているはずです。
社会不安障害を治していくには、自分が心当たりのあることを親や主治医に全て話し、専門的な部分は主治医に任せ、自分で改善できるようなところは薬の力を借りつつ治していくべきです。
ちなみに僕が個人的、そして勝手に思う社会不安障害になる原因の割合は以下のような感じです。
- 両親の教育や、両親が目の前で見せる言動(夫婦喧嘩など):2割
- 学校の先生や周りの生徒(いじめ、恥ずかしい体験など)、会社でのパワハラなど:2割
- 自分自身(生まれつきの考え方の癖、神経など):6割
自分を含め、社会不安障害になった人を責めたくはないのですが、やはり自分自身が大きなウエイトを占めてしまうのかなと思います。
- 自意識過剰
- 常に人の顔色をうかがう
- 自己評価が低い
という、自分が生まれつき持った癖や親から受けた教育(あまり褒めない、よく怒る、親同士がよくケンカをする)という土台の上に、いじめなどの嫌な出来事が重なって社会不安障害の症状が大きく現れてしまうのかなと思います。
それに、ものの見方や感じ方は人によって異なるので、同じ「いじめ」や「嫌な出来事」という経験をしても社会不安障害などの精神疾患に繋がる人とそうでない人がいると思います。
あとは、社会不安障害の患者が育った家庭環境は以下のようなものが多いと研究結果で報告されているらしいので、僕が今後親になった時に気を付けたいことでもあります。
- 虐待されていた
- 過保護の母親に育てられた
- 子供に対する思いやりが少なく支配的であった
- 子供に対して厳しい態度を示す傾向にあった
- 厳しい態度をとる傾向にあり、子供をあまり褒めたことがない
社会不安障害の原因は親にあるのか?というテーマで記事を書いていったので、最後の最後で家庭環境について書きましたが、この記事の中で何度も主張している通り、数ある要因の中の一つとして考えて頂けると幸いです。